首や肩を整えても、疲れが抜けない理由

これまで私は、理学療法士として解剖学や運動学をもとに、身体の構造から不調を捉えることを軸にしてきました。関節の動き、筋肉の張力、姿勢やバランス。整体では、歪みを整えることで症状が軽減していく過程を、何度も目にしてきました。
実際、そのアプローチには確かな効果があります。痛みが和らぎ、可動域が広がり、動作が楽になる。身体の構造に働きかけることで変化が起きることは、現場で十分に実感してきました。それでも、どこか引っかかる感覚が残っていました。
整っているはずなのに、全体の緊張が抜けきらない。症状は軽くなっても、首や肩の張り、疲労感が戻りやすい。構造的な問題だけでは説明しきれない状態が、確かに存在していたのです。

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脳疲労という視点
その違和感を説明するひとつの手がかりが、「脳疲労」という考え方でした。スマートフォンやパソコンを通じて、日常的に大量の情報に触れる環境。画面を見る時間が増え、視覚刺激が途切れにくくなった生活。こうした環境では、脳は常に処理や反応を求められます。
身体を休めているつもりでも、脳の活動レベルが下がりにくい。その結果、休息が十分に作用しない状態が生まれます。この視点に触れたとき、「なぜ身体を整えても、緊張が残るのか」。その理由が腑に落ちました。

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脳の状態が、身体の緊張に影響する。脳の活動が高い状態が続くと、頭、首や肩、背中といった部位は微細な緊張を保ちやすくなります。首は、脳と身体をつなぐ重要な通路です。神経や血管が集中し、頭部の状態を身体に伝えています。
この部分に緊張が残っている限り、身体全体は“活動状態”から切り替わりにくい。そのため、歪みを整えても、筋肉を緩めても、時間が経つと元の状態に戻りやすくなります。背景にあるのが、脳の活動状態である場合、身体だけへのアプローチでは変化が限定的になることがあります。
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頭に触れることで起こる変化
頭蓋調整を取り入れるようになってから、施術中に起こる変化の質が変わりました。頭に触れてしばらくすると、呼吸のリズムがゆっくりになっていく。胸やお腹の動きが大きくなり、身体全体の力が抜けていくのがわかります。
それに伴って、表情がやわらいでいく。言葉数が減り、反応が静かになっていく。これは、こちらが何かを操作した結果というより、身体の状態が切り替わっていく過程に近い感覚です。

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待つという施術
頭蓋調整は、「変える」よりも変化が起こるのを待つという感覚が強い施術です。無理に動かすことはしません。触れたあとの反応を感じ取りながら、その人の身体の変化に合わせていく。
このやり方は、解剖学的に説明しきれない部分も含みますが、実際の反応として、確かに現れます。そしてこの「待つ」という姿勢は、自分自身の感覚にも合っていました。
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脳疲労と首・肩こり、疲労感
脳疲労にアプローチすることで、首や肩の張り、疲労感に変化が出るケースは少なくありません。それは、首や肩を直接どうにかした結果ではなく、背景にある活動状態が変化した結果として現れます。
・首の緊張が出にくくなる
・肩まわりの力が入りにくくなる
・一日の終わりの疲労感が残りにくくなる

こうした変化は、脳と身体の連動が整ってきたサインとも言えます。
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構造と状態、両方を見るということ
解剖学や構造からの視点は、今も大切にしています。同時に、頭蓋調整にも長く関わってきました。身体の構造を扱うのと並行して、頭部の状態が身体全体に与える影響を見続けてきました。
身体全体の状態をどう捉えるか
という視点が必要だと感じています。歪みを整えること。体の緊張がゆるむこと。そして、脳の過活動を下げること。この3つが重なったときに、変化はより持続しやすくなります。

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最後に脳疲労は、目に見えるものではありません。それでも、身体の反応として、確かに表れます。首や肩の緊張、抜けにくい疲労感、回復しにくさ。
それらを単独の症状として見るのではなく、身体全体の状態として捉えること。
それが、これまでの経験を通して感じた、脳疲労という視点です。
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田中裕貴




