現代人の体はじわじわ燃えている「炎症」対策が最高の体調になるカギ!

消防士さん
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世界には、100歳で自分で歩くことができて、運動もできてメンタルも若いスーパー高齢者と呼ばれる方もいれば、若くして何かしらの不調や病気で悩んでいる、、という方ももいます。
今回は、健康寿命に大きく関わり、今世界の研究者にも注目されている「慢性炎症にフォーカスしてお話をします。慢性炎症が長い期間続くと、いずれ動脈硬化やがんなど、重篤な病気ににつながる可能性もある、、となれば見過ごせん!現代人の今の環境は、気付いていないうちに体の中が炎症していることが多いのです。さて、その「慢性炎症」とは何か、そもそも「炎症」とは何か、解説してきます!

目次

1「炎症」とは、体がダメージを受けたときに起こる「体の防御システム」

体が何らかのダメージを受けたときに、有害な刺激を取り除こうと免疫システムが機能し、ケガを修復すべく働き出します。「皮膚が赤くなる」「腫れる」「熱を持つ」「痛み」これが炎症反応です。炎症そのものは進化の過程で人体に備わった防御システムであり、私たちが生きていくために欠かせないシステムです。ウイルスが体に入って発熱や喉が痛むのも「炎症」、捻挫して腫れているのも「炎症」、発熱も「炎症」。

ここでキーになるのは、炎症が体の表面だけに起きる現象ではない!という点です。たとえば、アレルギーの場合は、外から入ってきた異物に免疫システムが過剰に反応し、目の充血や鼻づまりといった炎症反応が起きた状態です。体の表面、内側、どんな場所でも炎症は起きるという点が重要です。

2「慢性炎症」は、気づかないうちに、全身がじわじわ燃えている炎症。

体に痛みや熱もないし、自分では気づくことのできない弱い炎症が続くことを「慢性炎症」といいます。
風邪や怪我の場合、急性の炎症(高熱、胃腸の炎症で嘔吐など)で一気にかたをつけますが、慢性炎症の場合はとろ火でじわじわと全身を煮込むような形で進行するのが特徴です。長期の弱い炎症やアレルギーのように炎症が長引くと、免疫システムが激しい戦いを繰り広げるせいで、血管や細胞といった周辺組織にまでダメージが及び、やがて全身の機能が下がっていきます

弱火

病院に行くまでもないけれど、どこかしらの不調がある、、、これは、慢性炎症が原因かもしれません。寝てもなかなか取れない疲れ、倦怠感、やる気が起こらないなどのメンタルの不調にも、炎症は大いに影響しています。現代の社会では、自分では気づかない慢性炎症の状態が多いのです!

TIPS スーパー高齢者は炎症レベルが異様に低い

2016年、慶応大学医学部のチームが、スーパー高齢者の秘密を探る研究を行ったところ、ひとつだけ大きな違いがありました。一般的な高齢者とくらべて、体の炎症レベルが異様に低い!研究チームは「この研究により、体内の炎症レベルを見れば老化のスピードが予測できることがわかりました。これらのデータは、健康的に年を取るには『炎症対策』がもっとも大事であることを示している」とのことです。

3 慢性炎症を放置していると、病気に繋がる

気づかないうちに、絶えず体の免疫は慢性的な炎症を抑え込むことで状態が悪化しないよう懸命に努力してくれています。ですが、免疫システムがキャパオーバーになってしまったり、免疫の機能が老化し衰えていったり、免疫システムが弱体化すると、うまく炎症を抑えきれず病気を発症しやすくなります。慢性炎症によって生じる疾患には糖尿病、高血圧、脂質異常、肝疾患、認知症、がんなどその他もろもろ。ですが!!!もし、日常生活のちょっとした工夫で免疫システムに加勢できて、体内の慢性炎症を抑えることができれば!!特に不調を訴えることもなく、健康で運動もできるスーパー高齢者になれる可能性もあるのです。

TIPS 慢性炎症は血液検査の「高感度CRP」の項目で分かる

血液検査の「CRP(C-リアクティブ・プロテイン)」は、正常な血液の中にはほんの微量しか含まれない成分で、体内で炎症や組織細胞の破壊などが起こると肝臓で生産されて血液中に流れ出し、増えていきます。症状の程度に比例して数値が上昇するため、炎症や感染症の指標として用いられる項目です。

CRPの値は風邪や胃炎、虫歯、やけど、骨折などの外傷や感染症で上昇し、これらが完治すれば数値は元に戻ります。また、過度のストレスによって数値が上がるケースもあります。

慢性炎症は高感度のCRP検査で判断できますが、通常の検査だと「高感度CRP」が検査項目に含まれていない場合もあります。検査を受ける際は確認することをオススメします。

4 慢性炎症を起こしている原因は、現代人の3大「すぎる」!

人類の歴史600万年。その進化の中で、農耕と牧畜が始まったのは最後の1万年人類の歴史の殆どは狩猟採集活だったヒトの体は、まだ文明社会用になっておらず、狩猟採集生活仕様の体なのです。狩猟採集生活仕様の体で現代の生活をすれば、それはもう体の中で大きなボタンのかけ違いが出てきます。

TIPS 狩猟採集民の炎症状態は低く、先進国より健康

200人以上のキタヴァ族(パプアニューギニアに暮らす漁獲と芋類の栽培を主とした生活する伝統的な部族)に血液検査をしたところ、脳卒中や動脈硬化にかかるケースはなく、糖尿病の発症率は日本は15%のところ、キタヴァ族はおよそ1%ほど。80代の高齢者が認知症にかかることもなく、癌の割合もほぼゼロに近い状態だったとのことです。(1989年人類学者スタファン・リンデベリ氏のフィールドワークより)

狩猟採集の時代から比べて、現代人の生活の3大「すぎる」は、新しすぎる、少なすぎる、多すぎるです。

新しすぎる
  • 脳疲労
  • 孤独
  • 加工食品
  • 人工照明
  • デジタルデバイス
  • 化学物質
  • 抗生物質
少なすぎる
  • 睡眠
  • 有酸素運動
  • 筋肉を使う運動
  • 空腹感
  • ビタミン
  • 自然との触れ合い
  • 他人への貢献
多すぎる
  • 摂取カロリー
  • 精製穀物
  • 満腹感
  • 衛生設備
  • 人生の価値観
  • アルコール
  • 人口密度

① 新しすぎる環境「脳疲労」と「孤独」

「脳疲労」

今の時代に切り離せないのがデジタル機器。スマホは仕事でもプライベートでも使うので肌身離さず、テレビやゲーム、パソコンに家電も使います。すごいスピードで生活が便利になる一方、人類600万年の歴史を振り返ると、デジタル機器が出てきたのはついさっき。農耕生活にもまだ慣れていない体は、デジタル機器への対応なんてまだまだ未知の領域。加えてインターネットやSNSで新しいコミュニケーションの場ができたことで、コミュニケーションによるストレスも過大に。狩猟採集の時は、獲物に命を狙われる、食べ物を調達しないと生き残れない、という生死に関わる過酷な環境から、現代では多くの人は食べ物は困らないがベースの状態で仕事やコミュニケーションなど、細分化されたストレスが積み重なって膨大になっている今、人の体のどこに負担がかかるか。

そういった膨大な情報を処理するのは「脳」。人類が生きてきて、運動が減って多種多様なストレスが増えた今、人類史上一番脳への負担が高まっていて、そして脳の休息が上手にできないので「脳疲労」が溜まっています。

孤独

孤独感はタバコや肥満と同じぐらい全身に炎症を起こし、早死にのリスクが高まることが研究でわかっています。孤独感が強い人は早期死亡率が26%も高まり、社会からの孤立が長引けば、その数字は32%にまで高まります。

雨の窓の外を見る孤独なテディベア

狩猟採集の生活では食事や睡眠は常に仲間たちと一緒で、古代の厳しい環境では、グループからの離脱は死と直結。そのため、ヒトの脳には「人間関係が希薄な環境」に対応するためのシステムが備わっていません。現代のように核家族や地域コミュニティのような仕組みが消えつつある状況では、「孤独」は自分の生存を脅かすものとして認識されます。「孤独」を感じた脳は「新しすぎる」脅威に対して抵抗を始め、免疫システムを過剰に働かせます。その結果、全身は炎症の炎に包まれていくのです。放っておけば、体内の炎症は暴走していきます。

TIPS 慢性炎症は脳の機能にも強いダメージを与える

代表的な例は「うつ病」です。うつに苦しむ方の中には、抗鬱剤が効かないというケースがあり、その中で注目され始めたのが「うつ病の炎症モデル」です。人体が何らかのダメージを受けてサイトカインという炎症性の物質が分泌され、脳の機能に影響を与えると言う考え方です。うつ病の方の多くにCRPやIL6の炎症マーカーの増加が確認されています。

② 少なすぎる「睡眠」

国民の生活時間調査でも、現代人の睡眠は量・質ともに悪化を続けています。この睡眠不足と炎症には大きな関係が!!

カルフォルニア大学の研究結果によると…
  • 平均の睡眠時間が1日7〜9時間の範囲を逸脱すると体内の炎症マーカーが激増
  • 夜中に何度も目が覚めてしまうような場合も、体内の炎症は増える

狩猟採集民の睡眠は、日暮れから3時間後には眠り、朝は自然と目を覚まします。夜中に何度も起きることもない。睡眠が少ないとか質が悪いという言葉を使わないので、「不眠」「寝不足」という言葉自体が存在しないとのことです。

③ 多すぎる「カロリー」

人類の歴史の殆どは狩猟採集生活だったヒトの体は、まだ文明社会用になっておらず、狩猟採集生活仕様の体なのです。狩猟採集の生活では、その日とれた獲物、植物を食べる。食糧を貯められないから食べられない時もある(空腹が続く)。カロリーが足りない環境に適応するためにヒトの体は進化してきました。そのため、ヒトの脳と体は「低カロリー」の対応スキルが高い!逆に言えば、「高カロリー」への対応スキルは低いのです。

カロリー

現代の飽食な環境で高カロリーの状態が続けば、、、体は「いつか食べられない時のため!」と判断し、余ったエネルギーを皮下脂肪や内蔵脂肪として貯蓄し続けます。貯めておいた脂肪が使われることなく放っておくと、、、炎症を引き起こします。
何故脂肪が炎症に繋がるのか!実は、この内蔵脂肪、体にとって「異物」なんです。内臓脂肪が増えると免疫システムを動かし、脂肪細胞が分泌する炎症性物質が臓器に炎症を引き起こすのです!なんと、、、脂肪がなぜ体に良くないのかわかってきました。

内蔵脂肪というのは、免疫がいくら頑張ってもどうにもならず、食事や運動などの外的要因によって、カロリーを減らすしかありません。内臓脂肪が減らない限り、じわじわと炎症が起こり、体は燃え続ける。すると、炎症性物質で傷ついた血管や細胞が動脈硬化や脳梗塞など、病気の引き金となるのです。

5 「慢性炎症」を抑えるための改善習慣<おすすめ3選>

まだ人の体が狩猟採集の生活仕様となっていて、現代の生活では負担がかかっているのは分かりましたが、現代で狩猟採集な生活は現実的ではありません。そこで、今の生活でも工夫次第で現代の「すぎる」を変えることができる方法をお伝えします!!
カジュアルに生活に取り入れて、「現代の生活仕様じゃないのに、体ってよく頑張ってくれてるなぁ」と自分もねぎらいながら、今日も調子良い!と生活できたら良いなと思います。

  • 運動
  • オキシトシンを増やす
  • 腸を整える

① 運動

現代では普通に生活しているだけでは、体調を維持するための運動量としては足りません。そのため、意識して生活に運動を取り入れる必要があります。子どもから高齢者、そして働き盛りの大人こそ、働くための体調維持のために運動は必要です。実はアトピー性皮膚炎で来られているクライアント様にもその人に合わせた運動を提案していますが、アトピー治療に運動を組み込むことができれば、ぐんと治癒スピードが速くなります

運動
運動のメリット
  • 脳のパフォーマンスが上がる
  • ストレスが減る
  • ポジティブなメンタルになる
  • コレステロール値や血圧が下がる
  • 脂肪・体重が減る などなど

運動内容は、きればウォーキングですが、出来るならどんな運動でもOK「ある程度の負荷」が条件です。下記の条件で、自分が続けられそうなものを見つけてみてください^^ 外出が好きな人はウォーキング、家に居ることが好きなひとは宅トレなど、人によって運動の好みも異なるため、自分の好みを探って続けやすいことが一番肝要です。

運動レベル

「軽く息があがるぐらい」から「へとへとになる」までの間

継続時間

最低12分以上

(理想は45分)

頻度

週2回以上の運動

② オキシトシンを増やす

自分では気づかないうちに脳が「孤独」と判断して、体が炎症を起こして体調が崩れている場合もあります。すると脳の機能が低下し、仕事のパフォーマンスも下がる。これは、日頃の人間関係のちょっとした工夫で防ぐことができます。

幸せ三大ホルモンの一つ「オキシトシン」を増やす!という方法です。脳内の神経伝達物質で、メンタル面と身体面どちらにも大きく影響します。免疫力もあがれば美肌効果あり、老化防止で心臓と血管を強くする。メンタル面では幸福を感じやすく、不安や恐怖心が減り、ストレスにも強くなる。良いことづくしの「オキシトシン」を増やすことは、は炎症対策にもってこいです!「オキシトシン」はどんな効果があるか、実際の増やし方の詳細はこちらのコラムもご覧ください!

③ 腸を整える

現代人の生活は腸内細菌に優しくありません。現代の医療で欠かせない抗生物質は腸内の善玉菌も死なせてしまうし、現代の発達した衛生設備が体に必要な菌との接触を防いでしまう。衛生的な生活をしていた人が、劣悪な衛生環境で生活していたヒトより、花粉症の患者が多かったという事例もあります。昔は身の回りに溢れていた微生物が減り、そのおかげて防げた病気もありますが、ヒトの免疫のシステムには狂いが出てきています。

TIPS 腸内細菌とは体の中に住む微生物

ヒトの消化器官の中に住みつく微生物で、ビフィズス菌や乳酸菌が有名ですが、その他1000種類のおよそ100兆から1000兆の腸内細菌が確認されています。腸内細菌はビタミンを作ってくれたり、食物繊維をエネルギーに変えたり、脂肪酸をを作って腸壁を守ったりと、人が健康であるためには欠かせない存在

腸を整えるためには「発酵食品」と「食物繊維」を取ります!

「発酵食品を摂る」

発酵食品

発酵食品は、微生物(乳酸菌、麹菌、酵母など)の働きによって食物が変化し、人間にとって有益に作用した食品のこと。善玉菌の数と種類を増やして腸内のバランスを整えてくれます。納豆・味噌・キムチ・ザワークラウトなど、自分のこの好みにあう発酵食品を意識的に増やしてみてください。

注意点は、発酵食品はそれぞれに特有の細菌を持っているため、同じものを1つだけずっと食べると腸内細菌の多様性が限られてしまうこと。幅広いジャンルの発酵食品を取り入れるのがおすすめです。

「食物繊維を摂る」

食物繊維は腸内細菌のエサです。お通じの改善やコレステロールの低下が有名ですが、食物繊維の摂取量が多い人は、早期死亡率・癌の発生率・そして炎症性の病気の発生率のリスクも下がります。食物繊維の摂取量が1日10g増えるごとに早期の死亡率が11%ずつ減っていきます。食物繊維を増やすには、野菜とフルーツの摂取を増やすことが基本。腸内細菌が好きな水溶性の食物繊維で、ゴボウ、寒天、改装、キノコ類、オクラやりんごなどは水溶性なので優良な食材です。

TIPS 腸内細菌は加工食品が苦手

高脂肪で食物繊維が少ない食品(ファストフードなど)や精製糖の多い食品(スナック菓子や清涼飲料水など)の摂取量が増えるほど、腸内細菌が死にやすくなります。食事量全体の1~ら2割以下に抑えるのがベスト。

整体サロンulurido

今回は体の「慢性炎症」についてお話ししました。病院時代から18年この業界に携わっていますが、以前より慢性的な疲労や体調不良が多くなっていると体感しています。現代の生活は変化のスピードも速いため、体も脳もついていくのは難しく、慢性的な炎症に繋がっています。脳疲労からのアプローチで慢性炎症の対策もしっかりできるので、お気軽にご相談ください!

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