幸せホルモン「セロトニン」をちょっとした工夫で増やすコツ5つをご紹介。
世界幸福度ランキングなるものがあります。
発表されるたびに、日本は幸福度が低いと話題になっていますが、日本は2020年は62位、2021年は56位。
若干順位は上がったものの、先進国では最低水準、、GDPは世界3位で、男女平均の健康寿命No.1は日本!なんと74.1歳!
客観的なデータに注目すれば、日本は「幸せな国」。
でも国民の主観に基づくデータを見ると幸せを感じにくい。
今回は人間は「幸せ」を感じる時、脳内ではどうなっているのか?というお話です。
幸せ脳内ホルモンの一つ「セロトニン」についてフォーカスしていきます!
三大幸せ脳内ホルモン「セロトニン」と「オキシトシン」「ドーパミン」
セロトニンは脳内ホルモンと言いましたが、こちらは総称でして、正確には脳内の神経伝達物質の一つです。
「脳内」が付かないただの「ホルモン」は甲状腺やすい臓など、身体中で作られている動きを調節する化学物質で別物です。
神経伝達物質とは、脳内のニューロンと細胞との間で信号を伝達する脳内の化学物質です。
その中で幸福に関する神経伝達物質は、なんと100種類以上存在しています!
「幸せ〜」「気持ち良い」「お腹すいた」「不安だ、、」など、五感で感じたことや、ストレスを感じると、それに関係する神経伝達物質が分泌されるというしくみです。その中から幸せ3大脳内ホルモンと言われているのが、有名どころのセロトニン、オキシトシン、ドーパミン。それぞれをごく簡単に、ご紹介をば。
健康に関する幸福の神経伝達物質
分泌条件は?
爽やか、安らか、おだやかな、清々しい幸福を感じたとき分泌される
例えば
今日も青空で風も爽やか!気持ち良い!癒される。
スキンシップや信頼関係など、繋がりと愛の幸福の神経伝達物質
分泌条件は?
人やペットなどとの繋がり、愛情の幸福感を感じたとき分泌される
例えば
ハグをする、マッサージを受ける、「ありがとう」を伝え合う
お金、成功、達成、富、名誉、地位などの幸福の神経伝達物質
分泌条件は?
心臓がドキドキするような高揚を伴う幸福感を感じた時分泌される
例えば
お金を稼いだ、褒められた時など
POINT
幸福には優先度がある!「セロトニン的な幸福」が優先
成功・お金(ドーパミン的な幸福)を一番はじめに求めても、心身が健康でなければな幸福度は下がります。
人との繋がり・信頼関係が強くても(オキシトシン的な幸福)、心身が病んでいれば幸福度は下がります。
ということは、一番はじめに大事にしないといけないのは、セロトニン的な幸福です。
セロトニン的な幸福を土台として、そしてオキシトシン的な幸福、そしてその上にドーパミン的な幸福を重要視する、この順番が大切です。
頭では分かってはいるけれども!10代・20代はセロトニン的幸福はは蔑ろにしがちに。疲労や症状が出ていても、若さで補えることが多いからです。30代を超えてくると、そうも言っていられません。
自分の体と心のバランスをいかにとるか、病気になる前にいかに予防できるかが人生の幸福度に大きく関わってきます。
ここでポイントなのは、ドーパミン的な幸福は行動や努力の結果得ることができもので、セロトニン的な幸福とオキシトシン的な幸福は、すでに「ある」ものに気づくスキルが必要です
脳内セロトニンの5つの機能
脳は外側を「大脳」が囲み、中間部・脳の根っこに「脳幹」というものがあります。
この脳幹のなかに、セロトニン神経があり、そこでセロトニンは脳全体へ分泌されます。
起きている間はずっと分泌されていて、寝ているときにはストップし、覚醒し始めるとまた分泌がはじまります。
このセロトニンが最も大事な脳内の神経伝達物質の一つだと言われている理由の一つが、セロトニンが他の脳内物質をコントロールしてくれるところです。
セロトニン神経がしっかり活性化してくれれば、ノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミン、といった他の脳内物質が増えすぎた時に抑制してくれます。
ノルアドレナリンが関係している「不安」、アドレナリンが関係している「怒り」、ドーパミンが関係している「依存的な思考(もっと食べたい飲みたい)」にブレーキをかけてくれる脳内で大きな役割を担ってくれています。
その重要な役割から、セロトニンは「脳内物質の指揮者」とも呼ばれています。最近の研究では、脳内伝達物質の指揮者セロトニンは、幸せを感じたり、なにかをポジティブに考えたりすることの9割に関わりがあると報告されています。
起きている時にスッキリした意識にしてくれる
人間の知覚、随意運動、思考、推理、記憶などに関係する大脳皮質に作用し、「覚醒」状態を整える働きがあります。
心のバランスを取ってくれる
本能や情動に深く関係する大脳辺縁系へセロトニンが分泌されることで、心のバランスが取れ、安定した心理状態に。
自律神経の調整してくれる
セロトニン神経は交感神経の過剰な興奮を抑え、自律神経のバランスを整える役割を持っています。
「痛い」という感覚を抑えてくれる
「痛い」という身体からの情報は、神経を伝わって脳に到達します。
セロトニン神経は、「痛い」と感じた際の脳への伝達をある程度抑えてくれます。
姿勢を保って、ぱっちり目が開く
重力に対して姿勢を保つために働く「まぶた」「首」「背中」などの筋肉の抗重力筋を活性化してくれます。セロトニンが少なくなると、猫背になり顔がぼーっとして見えます。
このような機能を持ったセロトニンが不足すると、どうなるのか。
慢性的ストレスや疲労、イライラ感、向上心の低下、意欲低下、協調性の欠如、鬱症状、不眠といった症状がみられます。
ちなみに、セロトニンは月経前に減少する傾向があることがわかっています。生理前の不調やイライラが気になる方は、セロトニンを増やすことに意識を向けてみるのも一つの手かもしれません。
セロトニンを分泌させるには「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」
セロトニンを分泌させるには、セロトニン神経を活性化させる必要があります。
それには脳と身体が整っていることが必須です。睡眠不足、運動不足だと分泌されにくくなります。
そのキーポイントが「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」
朝日を浴びるのは午前中、さらに起きてから1時間以内だと「体内時計」のリセットにもなります。
リズム運動とは「1、2」と掛け声に合わせてできるようなリズミックな運動を言います。
ウォーキング、ジョギング、自転車、ダンス、意識する呼吸等があります。
今日からできるセロトニンを増やすコツ4つ!
セロトニン分泌のキーである「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」を踏まえて、今日からできるセロトニンを増やすコツをお伝えします!
① 朝散歩
② 「今、楽しい」にフォーカスするクセをつける
③ 体調に気づく「アンテナ」をもつ
④ 「3行ポジティブ日記」or「独り言アウトプット」
⑤ 運動
① 朝散歩
朝散歩とは、起床後1時間以内に15〜30分程度の散歩のこと。
やや早歩きでリズム良く歩くのがコツです。「朝日を浴びる」「リズム運動」の両方を行うことができます。「気持ち良い」「癒される」「きれい」「楽しい」「爽やか」「清々しい」感覚を味わってください。
その感覚を味わっている時、セロトニンは活性化せれています。
そうは言われても、朝散歩は難易度高い!という方。通勤や送り迎え時に「太陽の光を浴びる」「リズム良く速歩き」を意識することでも「朝散歩」に代用できます!
②「今、楽しい」にフォーカスするクセをつける
今日体調が調子が良くても、昔こんなことを言われた、されたことを思い出すと気持ちは暗くなります。
また、リスクマネジメントは大事ですが、「これからお客さんがくるかな」「子どもは学校で仲良くやれるかな」など、今後のことを心配を繰り返すと不安が大きくなります。
セロトニンは・・・なんとも分泌されにくい環境ですね。
そんな時は、ぐるんっと考えを「今」にフォーカスしてみてください。
人間の脳は、「注意」を向けないとその情報を集めてくれません。これを知っているのと知っていないのは大きく異なります。
脳は意識しないと素通りするような仕様なのです。
過去を考えて後悔し、未来を考えて不安になるより、「今、楽しい」に意識を向け、積み重ねていくことがコツです。
「今、楽しい」「今日、楽しかった(楽しいことが多かった!)」「今週楽しかった(楽しい日が多かった!)」「今月楽しかった」「一年楽しかった」「10年楽しかった」「50年楽しかった」「人生楽しかった!」に繋がるというわけです。
「今、楽しい!」に気づくと、気づいただけでセロトニンは出やすくなりす。
③ 体調に気づく「アンテナ」をもつ
シンプルに「今の健康に気づく(感じる)」だけでセロトニンは分泌されやすくなります。
玄関から外に出て晴れていたら、「今日は晴れてるな」だけだともったいない!
「今日は晴れてるな、空も青くて雲も綺麗、風も爽やか気持ち良い!!」と気づいて感じること。五感を使います。忙しい日常で、これは意識してアンテナを張っていないとこちらも素通りしてしまいます。
また、健康に関して、「小さな不調のうち」に気づくことも大切です。「自分が健康」「調子が悪い」ということを認識するのは、簡単そうで意外と難しい。特にデジタルに囲まれている今、「疲れ」に気づけない人が多くなっています。
健康な時は何も不調がないから「今日も不調なところがない!嬉しい!健康だ!!」と意識することなく日常は過ぎてしまいがちですし、「ちょっとの不調」、たとえば「ちょっと膨満感があるな」「ちょっと身体が重いな」ぐらいであれば、仕事や生活に支障がなければ後回しにしがちです。本来、それに気づくことができれば、自分で自然と対処できます。
- 「ちょっと膨満感があるな」 → 「次のご飯を少なめにしよう」
- 「ちょっと身体が重いな」 → 「今日は早く寝よう」「休憩をこまめに取ろう」
④「3行ポジティブ日記」or「独り言アウトプット」
アウトプットすることで、記憶が残りやすくなるのは広く知られています。
「楽しい」「爽やか」「癒された」などの感覚もアウトプットしないと忘れていきます。
アウトプットすることで、1日の楽しいこと、幸せだったことに「フォーカスする力」も強化され、セロトニン的な幸福の記憶も強化できます。
書くことがすっとできるタイプでれば、毎日寝る前に3行だけ書いて寝てみてください。
1日の終わりに今日の楽しかったことや、前向きな出来事を、たった3つ書くだけの日記です。
寝る前の約15分間は記憶のゴールデンタイムと言われています。もっとも記憶に残りやすい時間です。
書くのが億劫な時は独り言でもOK。(3行ポジティブ日記は、アメリカの心理学者セリグマン博士提唱、精神科医・樺沢紫苑先生推薦)
- 観葉植物に新芽が出てきて嬉しい、可愛い癒される
- 作ったご飯を美味しいと言って喜んで食べてくれた
- ないと思いながら探したアイスが奥の方に眠っていた
⑤ 運動
健康のために必要な最低運動量は1日20分の早歩きです!毎日の20分に加えて、週に2〜3回の少し負荷のある運動をすればいうことはない!ですが、なかなかハードルが高いですね。
外に出ることが好きな人は先ほど紹介した朝散歩やジョギングがおすすめです。
出不精な人は動画を見ながらの宅トレがおすすめです!
今回は幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」にフォーカスしました。いかがだったでしょうか。
整体サロンulurido(ユルリド)の施術でも「セロトニン」分泌を促す施術をしています。
日常で少し、「爽やかな気分」「癒されること」「今楽しい嬉しい」にアンテナを貼って意識するだけで「セロトニン」が分泌が増えていきます。
セロトニンを増やして、脳疲労にも強い脳活ライフはいかがでしょうか。